歯科医が一目置く存在になります。入れ歯をつくり直す場合でも、『つくり直しはしますが、料金は別にいただきます。あなたのミスで私がつくり直すのですから』と、歯科医にハッキリ言える。歯科医と対等の立場だからです」入れ歯をつくるとき、歯科医も歯科技工士も、患者さんの口にピッタリ合う入れ歯をつくることがゴールになる。よい入れ歯をつくるには、歯科医と技工士がお互いの知識や技術を十二分に発揮し、プロとして尊重し合いながら、ともに入れ歯づくりに携わることが不可欠だ。しかし、当時の日本の技工士が置かれていた環境は、いや現在でも、その環境とはほど遠い。「ドイツの歯科医療の現場を目の当たりにして、私は、日本の問題点がハッキリ分かりました。同時に、『ドイツの技工士のように、自分の技術に自信と誇りが持てるマイスターにならなければいけない』と思ったものです。日本にはマイスター制度はありません。ありませんが、私はいつも『入れ歯マイスター』を目指して仕事をしています」