英語が話したくて「舌がむずむずする」という幸せな現象を、かつて私も体験したことがある(私の場合、最初はドイツ語でたったが)。この症状が表れると、どこかに英語の話し相手になってくれる人間はいないかとみずから探すようになる。そのためにわざわざアメリカ人に会える機会をつくり出す人もいるほどだ。こういうとき、アメリカ人が直接指導する英会話塾の上級会話クラスに通うのも悪くないが、そこへ来る人たちの多くが「コングリッシュ」を使うので、最善の選択とはいえない。自分以外はみんなアメリカ人というような集まりに、積極的に参加してみるのがもっともよい練習になるだろう。そうした機会がなければ、路上や電車の中で、目に映ったものや考えたことを英語でかたっぱしから表現してみるのもいい。「あの入り口に立っている女性はずいぶん背が高いな」とか、「きょうは疲れているので、立っているのがつらいな。私の前に座っているこの人が次の駅で降りてくれるとありかたいのだが」などと、日常的に感じたことや考えたことを英語でいってみる訓練をするのだ。英語の習慣化、体化に非常に役に立つ方法である。