人間の耳は、とても都合よくできています。注意をしていないと周りの音は聞こえません。勝手なことは聞こえても、聞いて欲しいことは聞こえなかったりします。それは聞こうとしているかどうかの目的意識によります。ある小学校で、3年生の学年集会の様子を見学していたときのことでした。それまで、いつものように3クラスの教室をつないでオープンスペースにした場所に集まって、少しざわついていた子どもたちの目の色が変わりました。先生が「今から、来週の遠足のことについてお話をします」と言ったのです。子どもたちは一斉にノートを取りに行き、急いで戻って来ました。そして、おしゃべりもやめて、先生の話を黙って聞き、集合時間や持ち物についてノートにメモをしていきました。その間先生は説明をしていただけで、「メモを取りなさい」などの指示は何も出していません。子どもたちのあまりの集中力の高まりに思わず驚きました。これは、子どもたちが目的意識を持って聞こうとしたからで、必然性こそ行動力の原点であり、集中力の源でもあると実感した瞬間でした。