バブルがやがて崩壊したため、需要の力強い増加基調を前提にして大規模な投資を行い雇用を増やした企業は、かつてない苦境に立たされることになった。設備投資や雇用量の増大は企業の固定費負担を大幅に増やしたが、それを賄うだけの収入が得られなくなったからである。そのまま営業をつづければ赤字が嵩むが、かといって営業を停止することはできない。そんなことをすれば従業員を解雇しなくてはならないからである。そこで多くの企業はなんとかして経費を減らす方策を必死に求めざるを得ないことになった。バブル時代に株価が一本調子で上昇していたのを良いことにして、事実上調達コストがかからないエクイティ・ファイナンスなどを活用して大量に資金調達をしていた企業にとっては、株価の低落によってそのメリットがなくなり多額の資金コストがかかるようになったことも痛かった。金利が低下したので、借金のコストはいくぶん軽減されたが、投資額が大きい企業にとってその負担は依然として重圧だった。そこで企業再建の関心が集中することになったのは労働費用の節約である。厳しい不況の中で賃上げは低く抑えられたが、さらに労働費用を抑える手だてが模索された。そうした暗中模索の中で、リストラクチュアリングの大きな対象として意識されるようになったのが、賃金の高い中高年齢層の労働費用の削減である。とりわけホワイトカラー、それも管理職がその焦点となった。
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